今市水産

宇和海で創業以来百年余り、形を変えながら漁業を営んできました。
現在は家族でしらすの漁獲、製造、販売を行っております。
創業当時からの無添加天日干しにこだわりつつも、新商品の加工品開発にも力を入れています。
加工品の開発は、次世代を担う子供たちが、【漁師】という職業に希望を持てるきっかけになってくれると信じています。
ちりめん漁師を魅力ある職業にすることが現役で漁師をしている私たちの責務だと考えています。

わたしたちの紹介

しらすは鮮度が生命線

漁業を営む宇和海、西予市明浜町はリアス海岸の入り組んだ入江の湾。
海岸線には僅かな集落があり、すぐ裏には緑の山々が連なっています。
山から流れる栄養分を求めて湾内にはしらすや、小魚、イカやタコなど沢山の海の生き物が集まり住み着きます。
僕たち漁師はその大切な海の恵みを頂き暮らしています。
昔は獲れるだけ獲っていたのですが、それを繰り返していては恵みもなくなるので、今は必要な時に必要な分だけ。

質の良いモノを頂く。
獲り方も一年を通して考えながら漁を行っています。
獲ったしらすはすぐに製造場へ持ち帰り、漁獲から5分～15分後には釜茹でし、プリプリの釜揚げしらすに！

オリジナル商品【しらチョビ】

2015年春に、明浜町ではしらすの危機的大不漁に見舞われました。
しらす漁のメインは春と秋。
その大切な春漁が全くなく、一度も網を入れることなく秋を迎えました。
当時60年近く漁師を続けている父が「春漁の全くない年は今まで一度もなかった」と海の変化を心配していました。

当時、妻のお腹には待望の赤ちゃんを授かっていましたが、息子が生まれようとしている時、春漁がなく年収が半分になる…。
子供が生まれてくる喜びと、育てることができるのかという不安の中で毎日を過ごしていました。
何とかこの状況を変えたい、この大好きな海で子供を育てていきたい。
付加価値を生み出すことで、少ない漁でも安定した収入を得られればこの地を離れることなく生きていけるのではないか。
3年を費やし完成した【しらチョビ】多くの方々に助けて頂きながら完成した商品で、我が子のように可愛いです。

乗せるだけ、かけるだけ、混ぜるだけ！

現代は共働きが当たり前。
お父さんもお母さんも一人暮らしの方も、疲れて家に帰ってきたとき、こういう食材が家にあれば助かるのではないか。
お手軽に、でも美味しく！
焼いたパンに乗せるだけ、茹でたパスタにからめるだけでペペロンチーノ、生野菜にかけてドレッシングに。
卵焼きに入れるだけ、ご飯に混ぜてお手軽ピラフなど、色々な食べ方ができる万能調味料。

「時間がない現代の人達へ、時短でも味は手抜きしない、食べると笑顔になれる」を追い求めて妥協せず作りました。
お世話になった方への贈り物にギフトボック (2本入り、3本入り)もご用意しております。

つなぐ

かつてないほどの不漁の年の春に生まれてきた息子も6歳になりました。
息子は自閉症スペクトラムで、知的障害があります。
周りからみると「かわいそうな子」と思われるかもしれません。
でも僕から見ると「恵まれている子」です。
大好きな自然に囲まれているこの明浜町は彼にとって正に楽園です。

散歩に出れば大好きな水たまりや葉っぱがあちこちに。
夏は(実際は11月まで)家から走ってそのまま服を着て海にも入ります。
そして何より保育園の友達と先生方、こんなに人に恵まれていいのだろうかと思うほど周りの人たちが息子を愛してくれていることを実感しながら生活しています。

写真のポーズは手話で【つなぐ】という意味です。
息子は言葉を持たないのでいつか一緒に手話を覚えたいと思っています。
子供たちが、今も、いつまでもずっと笑顔でいられるような社会になって欲しいと心から願っています。